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第7のレシピ お客様が美味しいと感じるセンター

 「新時代コンタクトセンター」のレシピは「お客様が美味しいと感じるセンター」と題して、最新のHDI格付けで3部門すべてにおいて三つ星を獲得した株式会社スカパー・カスタマーリレーションズ(以下SPCC)を取り上げます。私も昨年までSPCCの社長をしていましたのでとても嬉しく思います。 
 HDI(Help Desk Institute=ヘルプデスク協会)について簡単に説明しますと、HDIは1989年に米国で設立され、2000年には世界初のサポートセンター国際認定をする機関となり世界40か国で活動を続けている団体です。日本では2006年からはHDI-Japanが問合せ窓口格付けを開始し、日本のサポートサービスをお客様目線で評価し認定するという活動を続けています。

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 今回はSPCCの品質保証統括部で長年センターの品質改善に取り組んできた坂田直子さんに「3部門三つ星」というこの結果を導いた活動とはどんなものかをお聞きします。

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右:株式会社スカパー・カスタマーリレーションズ
  品質保証統括部 坂田 直子 氏

 まずそれぞれの部門とその評価について運営者として「どう捉えたか?」を部門ごとにお聞きします。

坂田氏:
 今回はじめて格付けベンチマークに挑戦するにあたり、HDI-Japanの方に調査についてお聞きした際に「格付けベンチマークは顧客視点で評価を行う」という言葉が非常に印象に残りました。この「顧客視点」は、私たちの品質改善活動においても、もっとも大切にしている点であり、この考え方が現場および本社に浸透していることが、すべての部門での三つ星獲得につながったと感じています。
 なお、「顧客視点」を考える時に気を付けたい点は「お客様を型にはめない」ということです。

「ご高齢のお客様は機械操作が苦手だろうから詳しく丁寧にご案内しよう」
「女性のお客様は韓流がお好きな方が多いからお勧めしよう」

 一見、「顧客視点」を大切にした応対のようにも思えますが、ご高齢でも機械に詳しくスムーズに操作されるお客様もいらっしゃれば、女性でも韓流に興味のないお客様もいらっしゃいます。お客様を勝手にタイプ分けするのではなく、お一人おひとりのお客様と向き合い、求められる応対をするために、私たちは「お客様との会話」を大切にしています。お客様がどのようなものを好まれるか、どのような点にお困りなのかは、お客様とのお話の中からしか見つけられません。「お客様との会話」の中で、お客様のご状況やニーズを把握し、それに合わせた応対を行うことが、私たちの考える「顧客視点の応対」であり、大切にしていることです。
 また、お客様には「応対に対するNPS調査」へのご協力をお願いすることで、お声を寄せていただいています。毎月4,000件前後の回答をいただき、これをオペレーターへフィードバックしています。フィードバックの際に「このお客様にもっと喜んでいただくにはどのような工夫ができただろうか」と考える機会を設けることで、日々、顧客視点で考える力を養っています。

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<問合せ窓口格付け>

 「双方向のコミュニケーションがうまく取れ、心理的ニーズに応えようと前向きに取り組めている」とのコメントをいただき、三つ星評価となりました。スカパー!のサービス、ご料金、視聴環境・・・ご加入のお客様にご案内すべきことは多岐に渡りますが、前述の「お客様との会話」により、お客様が何に疑問やご不安をお持ちなのかをしっかりと把握したうえで、必要な情報をご提供することができているのだと考えます。

<Webサポート格付け>

 「知りたい情報が顧客視点で常に目に留まる位置に表示される工夫がある」「FAQが充実しており解決の糸口になる」とのコメントをいただき、三つ星評価となりました。また、お電話が込み合っている場合にはその旨をホームページ上に掲載するといった、センター状況をWebに反映させることや、Webに掲載されている情報をお客様と一緒に確認しながらのご案内ができている等、Webとセンターとの連携についても高い評価をいただくことができました。
 SPCCでは昨年より、お客様応対をしているオペレーターが、スカパー!のホームページの更新にも携わるようになりました。スカパー!本社で用意された内容で担当オペレーターがホームページを更新するという流れにはなりますが、実際にお客様応対をしているオペレーターならではの気づきが反映されることもありますので、今後さらに「顧客視点」を取り入れたWebサポートが可能になっていくと思っています。

<モニタリング格付け>

 「顧客に積極的な支援ができている」「問題解決に向けてスムーズで、時にはリードしながら顧客を中心にしたサポートである」とのコメントをいただき、三つ星評価となりました。ここでも「お客様との会話」が活きたと感じます。「モニタリング格付け」はご契約中のお客様との応対の評価を依頼しましたので、「契約チャンネルが映らなくなってしまった」等のお問い合わせも多く含まれていました。お客様のご状況を伺いながら問題解決に導いていくための積極的な「傾聴」と「提案」が高い評価につながっています。

出水:
 コンタクトセンターのデジタルシフトが叫ばれていますが、お客様サポートにおいてSPCCがデジタルを活かしている点はどんなところでしょう?また、まだデジタル化が進んでいないセンターではどんな点に注力すればよいのでしょうか?

坂田:
 デジタル化においては、お客様がご利用になるツールと、オペレーターが利用するツールの二つの面があります。
 まず、お客様がご利用になるツールに関して、SPCCではお電話の他にメール、LINE、チャットでのお問い合わせを受け付けています。また、お客様ご自身でお手続きできるセルフツールのご用意もあります。各チャネルには、サポート内容との相性、向き不向きがありますので、お客様がご用件を解決するのに最適なツールを選択できることが、利便性の高さにつながると思います。
 オペレーターが利用するツールに関しては、「お客様との会話」をスムーズにし、最適なご提案ができるよう、お客様の情報を視認性高く確認できるようなデジタル化を進めています。
 なお、デジタル化における品質についても、大きく二つに分けられます。
まず、人が介在しないBotやセルフツールは、シンプルでわかりやすいことが第一です。一方、オペレーターがメール、LINE、チャットを使って応対する場合には、テキストでのやり取りであっても無機質になることなく、「お客様との会話」により、顧客視点を大切にした、お電話と同様の応対をすることが必要です。

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出水:
今、ニューノーマルの時代を迎えお客様サポートのやり方も変わりつつあるのですが、今後のセンター、特に品質面での取り組みで変化はあるのでしょうか?

坂田氏:
 非対面でありながらも、お客様と密につながれるのがカスタマーセンターだと思います。
 今回のコロナ禍においては、SPCCでも縮退運営を余儀なくされ、お客様にご迷惑をおかけした部分がありましたが、一方で、お客様との「つながり」を強く感じることができました。お客様とオペレーターの間に「お互いに感染には気をつけましょうね」「こんな時だからこそ、スカパー!でおうち時間をお楽しみください」といった、心あたたまるやり取りがなされていました。従来は「対面でない不便さ」をお感じになるお客様もいらっしゃったかと思いますが、これからは「対面でないからこその快適さ」を感じていただけるよう、あらゆるチャネルでの「お客様との会話」を大切にしながら顧客視点での改善活動を続けていきたいと考えています。

出水:
お客様接点で非接触型が主流になりつつありコンタクトセンターの価値はさらに重みを増しつつあります。坂田さんの言葉「対面でないからこその快適さ!」の追求は新時代コンタクトセンターのキーワードではないでしょうか?そしてこの命題に応えるのはやはり「人の力なのだ」と今回のレシピは教えています。

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出水 啓一朗 (Keiichiro Demizu)
1974年信越放送入社。2003年WOWOW常務取締役、2006年スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(現スカパーJSAT)執行役員常務、2009年同社取締役執行役員専務兼マーケティング本部長を経て、2011年スカパー・カスタマーリレーションズ代表取締役社長に就任。2019年6月同社退任。

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