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第1回 システム内製化の必要性

この3月からのコロナの影響で、企業の働き方がテレワーク中心となり、各企業がどれだけデジタルに対応できているか、その結果が顕著に出たと感じています。社員が在宅勤務をする中で、出社時と変わりなく業務ができていた会社と、業務が完全に止まってしまった会社がありました。我々の会社でも在宅勤務になって、郵便物を取りに会社に行かなければならなかったり、契約書にハンコを押すために出社しなければならなかったりと、デジタル化への課題が浮き彫りになりました。このように変化が激しい時代においては、過去のようにITへの対応を外部のベンダーに丸投げにしていては、どんどん世の中のデジタル化のスピードについていけなくなります。デジタル化に対応するには、内部でシステムを開発できる力を持つことが必要不可欠です。

内製化のメリットとデメリット

システムを外部に頼んでいると、頼まれたベンダー側は、決められた要件を決められた納期に完成させなければならないため、要件変更や要件の追加にはなかなか対応してくれません。また、ベンダーは請負でシステム開発を受注する際に、2割程度納期や工数のバッファを積むことが多いので、どうしてもコストが割高になり、納期もかかってしまいます。一方、内製化にすると、自分たちでコントロールできるようになるため、開発スピードがあがり、変化にも柔軟に対応できるようになるのが大きなメリットです。ただ、内部で開発する分、どうしてもチェックが甘くなってしまい、品質があまりよくないものができあがる、というデメリットもあります。外部に頼んだ場合、品質はある程度確保されますので、品質に対する安心感はあります。品質の問題を防ぐために、内製化する場合は開発の各工程のフレームワークをきちんと定義し、フレームワークにそって開発を行うことがより重要になってきます。これからの時代は、100点のサービスを時間をかけて作るよりも、80点~90点でも構わないので、迅速にサービスをリリースし、リリース後ブラッシュアップしていく形に変えないと、市場から取り残されてしまいます。迅速にサービスをリリースすれば、効果も早期に期待できますし、顧客の反応を見てその後の改修計画が組めるので、じっくりと開発するのに比べ、全体的に効果は大きくなります。システム開発は意外と最後の10点20点を埋めるために、期間やコストがかかることが多いので、80点でいいと割り切るだけで開発期間が半分になることもあります。

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どこまでシステムを内製化すればよいか

システムを内製化する場合、システムの上流(企画・要件定義)から下流(設計・開発)まで自社で完結するのが理想ですが、リソースを考えた場合、一足飛びにこの体制を作るのは難しいといえます。しかし、開発言語を覚えるのはハードルが高いかもしれませんが、上流である企画や要件定義については、形さえ覚えればシステムの開発経験がなくてもできます。システムを外注する場合、システムの下流よりも上流のほうが人月単価も高いのが一般的ですので、上流を自社でできるようになるだけでも、大幅な開発コストの削減は可能です。まず目指すべきは、開発工程の上流部分やプロジェクトマネージメントを内製化し、開発については外部のベンダーにお願いする体制を構築するのがいいでしょう。そのうえで、将来はどんな小さな部隊でも結構ですので、システム開発の部隊も内部に持つのです。開発が自社でできるようになると、外部のベンダーの見積りに対しても高いか安いかが判断できるようになります。基本は自分たちにできないことを外部にお願いするのではなく、自分たちだけでもできるが、パワーが足りない場合に外部に協力してもらう、という形が望ましいと思います。

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内部の人を育てるか、外部から招へいするか

システムを内製化する場合、内部のメンバーを育てるか、経験のある人を採用するかのどちらかで悩まれる会社も多いと思います。もちろん外部でできる人が採用できればいいですが、中々すぐには見つからないのが現状です。また採用したとしても、スキルが違っていた、会社の文化に合わなかったなど、課題はいろいろと出てきます。それらを考慮すると、内部から育てるのが実は近道だったりします。ノウハウやスキルが足りなくても、経験や努力次第でシステムを覚えることは可能です。何といっても会社の文化を知っている、任せた人がどういう人かを知っている、業務を知っている、というのは大きなアドバンテージになります。私自身が支援している会社でも、この人はシステム担当やプロジェクトマネージャに向いてそうだな、という人が必ず数人はいます。分からないことやシステムのフレームワーク作りなどは外部にサポートしてもらい、将来は自分たちだけでシステムを開発する形を目指すべきです。

この連載では自社でプロジェクトマネージメントや上流工程を進めるには何を身に着けないといけないか、その方法や勘所について解説していきます。

岡村 克久(Katsuhisa Okamura)
1993年(株)オービックにてSEとしてシステム開発に従事。2000年(株)イーショッピング・ブックスに入社しECサイト開発に携わる。2008年(株)セブンアンドアンドワイ システム開発部部長就任。2015年(株)セブンアンドアイネットメディア執行役員就任。オムニチャネル戦略の開発PMを務める。2017年同社を退社。2017年デジタルシフトウェーブ入社。同社取締役に就任。

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