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第4のレシピ LINEが目指すチャットボット

 「新時代コンタクトセンター」のレシピを語るとき、どうしても触れなくてはならないのがAIです。ここ数年、AIを使ったチャットボットは流行りのレシピとして注目を集めてきました。
 コールセンター白書(2019)にはAI導入の目的について、次のようなアンケート結果が掲載されています。

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出典:ミック経済研究所(コールセンター白書2019より)

 データとその背景について触れてみたいと思います。
 ご覧のように、「お客様フロントでのチャットボットの活用」が、自然言語処理をもとにした「オペレーターの応対支援のAI活用」より上回っています。これは人材不足によりフロント業務をできるだけ自動化したい、という効率面を反映したものです。しかし、お客様から見たときも用事が果たせれば、ロボットが回答してくれても構わないという考えが、徐々に浸透してきた結果とも言えます。セルフツールの延長線上でBoTを利用することへのハードルが下がっているのです。
 では、その導入の実態ですが、プロモーションでよく目にする「わが社のAI/BoTで解決!」はどこまでAIの技術が使われているのでしょうか。今回は国や地方自治体のコロナ調査で注目を集めているLINE社でAI事業推進の責任者をされている飯塚純也さんにチャットボットを始めとするAIのこれからを伺いたいと思います。いま私たちの日常では「電話はしないがLINEはする」というくらいLINEはライフスタイルに組み込まれています。AIが果たす役割について飯塚さんはどう考えているのでしょうか?

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LINE株式会社
AIカンパニーカンパニーエグゼクティブCRO
AI事業推進室 室長
飯塚 純也さん

LINE 飯塚さん:
 LINEのチャットボットを語るとき、その出発点は皆さんが日常的に使っているLINEのチャットアプリです。LINEはこのメッセージングアプリの仕様(Messaging API)を早くから公開しています。
 今や日本で8,400万人が利用するLINEは企業活動にとっても重要なインフラです。LINEの公式アカウントを開設し、このAPIを活用することにより、お客様とのチャットもできるわけです。コンタクトセンターで利用されているお客様からの問い合わせにLINEでオペレーターが回答するのもこのサービスです。また、比較的簡単な問い合わせについては、人の負担を軽減させることができる機能として”AI応答メッセージ”を公式アカウントに標準でご用意しております。AI応答メッセージはユーザーからの問いに自然言語処理(NLP)を用い、意図を把握し、最適なメッセージで応答する機能です。例えば「営業時間は?」「駐車場は?」「予約をしたいのですが?」といった簡単な問い合わせに自動で返信できます。

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出水:
 すでにチャットの領域ではAI/BoTサービスが数多くリリースされていますが、昨年登場したLINE BRAIN CHATBOTは他のサービスとどこが異なるのでしょうか?

LINE 飯塚さん:
LINE BRAIN CHATBOTは3つの特徴を持っています。

1.世界最⾼⽔準で進化するAIエンジン
2.LINEサービスとの連携が簡単
3.誰でも設定可能な⾼機能ビルダー

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 ひとつずつ説明しますと、一つ目は、⾃然⾔語処理・機械学習・テキストマイニング等の AI技術を組み合わせることにより、ユーザーの質問意図を理解し、 学習しながら最適な回答を⾃然な会話で提供します。正答率は世界最高水準です。従来の⼀問⼀答型に加えて、シナリオ型、回答探索型による対話が可能です。またテキストだけでなく、音声を含めたボットにおいては、STT(音声認識)、NLP(自然言語処理)、TTS(音声合成)などの要素技術が複合的に活用されますが、こちらはスマートスピーカーとしてリリースされているClovaの開発が活かされています。
 二つ目は既に開発されたものやこれから開発されるLINEの各サービスとの連携です。ここはかなり重要です。LINEには「選択式回答」「カルーセル」「イメージ回答」など様々な対話に必要なUIが整備されています。LINE BRAIN CHATBOTはこうしたサービスと連携することによりユーザーがストレスなく目的の回答に辿り着けるのです。

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 三つめは構築と管理のしやすさです。AIと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、その前工程の複雑さと実用までの道のりの長さです。LINEの構築/管理画面は会話のアップロードやダウンロードの容易さはもとより、KPIダッシュボードでそれぞれの問合せ数やランキングも簡単に表示できます。構築のしやすさは厚⽣労働省の「新型コロナウイルス感染症情報」の公式アカウントをわずか1日で立ち上げたことでも実証されました。 このようにチャットボットの始めるハードルはかなり低くなりました。これからは中長期的に成長させながら、安定的に継続運用させるフェーズに入っています。

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出水:
もう一つのテーマはBoTと有人の境目だと思うのですが・・・

LINE 飯塚さん:
 まずお話したいのはLINE BRAIN CHATBOTは進化していますが、人と同じ会話ができるわけではないということです。新時代のコンタクトセンターでは、業務設計を行う上でも、AIと人間の協働にポイントおき、成果と効率を最大化するオペレーションが求められるでしょう。具体的にはチャットボットが適用できるエリアと、人間がフォローすべきエリアの境目を決め、それぞれの長所を活かすことが大切です。そういう意味ではAIに過剰な期待をよせることも、チャットボットを過小評価する必要もありません。どの時代でも顧客サービスにおいて最も重要なことは、お客様の用件、課題を解決することです。チャットボットによる無人対応でも、コンタクトセンターを通じた電話による有人対応でも、方法論は違えど本質は同じです。今後、コンタクトセンターの人材不足は加速し、24時間のサービスは困難になり、ビジネスアワーにおいても在宅で対応するケースが増えると考えられます。近い将来、人間の五感を補完(音声認識は耳、音声合成は口、画像認識は目など)し、より業務に特化して拡張していく「デジタルレイバー」としてのチャットボットが求められるでしょう。そしてそれらがLINEというコミュニケーションプラットフォームにおいて、AIと人が融合したより自然な顧客体験を提供していくことでしょう。AIが社会実装され、民主化されて利用できるとき、AIは「次のあたりまえ」になると私たちは考えています。

出水:
「デジタルレイバー」が「次のあたりまえ」を作り出すという飯塚さんの提言はLINEが目指す「新時代のコミュニケーションの未来」を予感させます。ここ何年かAIに対する過剰な期待がかえってその普及を阻害してきた感があります。お客様が「スーっと、受け入れられる」チャットボットの開発はまさに始まったばかりかもしれません。コロナ禍のこの時期だからこそ企業は恐れずトライすることが必要でしょう。

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飯塚さんと私も参加するがWebセミナーを「6月17日㈬15:00-16:00」に開催します。

【タイトル】
アフターコロナへの共同提言
「新時代コンタクトセンター」あり方とはじめ方
(Salesforce LINE WalkMe DSW共同開催)

お申込みは下記にて受け付けています。皆様の参加をお待ちしております。
https://lb.linebrain.ai/seminar_20200617_online_dsw

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出水 啓一朗 (Keiichiro Demizu)
1974年信越放送入社。2003年WOWOW常務取締役、2006年スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(現スカパーJSAT)執行役員常務、2009年同社取締役執行役員専務兼マーケティング本部長を経て、2011年スカパー・カスタマーリレーションズ代表取締役社長に就任。2019年6月同社退任。

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