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後編 出社せずに仕事をまわす

 「完全リモートワーク経営術」の後編は、出社せずに仕事をまわす取り組みについてご紹介させていただきます。完全リモートワークを目指し、当社は走り出しています。オンライン会議のハードルを超えて次に目指しているのは、「全社員が出社しないで仕事をまわす」ということです。

意外とスムーズに在宅勤務がまわりだした

 オンライン会議で円滑にコミュニケーションが取れるようになり、私たちの在宅勤務はスムーズにまわりはじめました。私たちの仕事は、現場部門はクライアント先での仕事が多く、仕事の6~7割はクライント先にいるのが日常です。そのため社員が独立して自由に動けるような働き方改革に、2017年の創業当初から取り組んでいたことが良かったのだと思います。その取り組みは大きく3つあります。
   1)週に3回必ず全社会議を実施、後は個人が自由裁量
   2)社員ひとり一人独立採算制として、責任を明確化
   3)自社独自のシステムを持たずに、クラウドサービスを活用

 一つ目の全社会議は、在宅勤務になったときに戸惑ったものの、前回お話したオンライン会議のハードルを越えたことでスムーズに動き出しました。
 二つ目の独立生産性は、社員ひとり一人の売上から営業利益まで責任を明確化していたため、在宅勤務になっても指示待ちにならず、社員たちは普段どおり自らの判断で動くことができました。良く在宅勤務にすると社員の管理ができないという声を耳にしますが、明確な責任を持っている社員は決してサボることなく働いてくれるものです。
 三つ目のクラウドサービスの活用は、デジタルシフトを支援する会社である当社は、自らも「システムは所有せず利用する」と考え、自社システムを持たず徹底的にクラウドサービスを活用してきたことが、在宅勤務になっても自宅からスムーズにシステムを利用することができました。

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立ちはだかる管理業務リモートワーク化の壁

 いざ、リモートワークを推進していくと、デジタルシフトを目指してきた当社としても意外と管理業務にアナログ仕事が多いことに気づかされました。もちろん管理業務も自社独自システムを持たずに、クラウドサービスを活用しています。経理も、人事も会社設立時からクラウドサービスを活用し、クラウドサービスで対応できないことは、経理規定、人事規定などを改訂し、「システムに業務を適用させる」を徹底させてきました。承認もワークフロールールを明確にして、スマホでも承認ができるようにしています。
 しかし今回、実際にリモートワーク化して3つの壁に直面しました。
   1)会社にかかってくる電話、送られてくる郵便
   2)銀行振り込みでオンライン送金ができない相手がいる
   3)クラアントへの請求書、役所への申請書などの捺印が必要
 一つ目の電話・郵便問題ですが、電話は割と簡単に解決することができました。転送サービスを利用し、持ち回りで就業時間内に管理部門社員に転送することができました。しかし、郵便だけは解決できていません
 二つ目の銀行振り込みですが、当社はオンラインバンキングをフル活用しているので全て自宅から申請、承認ができるようにしているのですが、一つだけ、社会保険料の振り込みだけは、社員の住んでいる市区町村によっては対応できないケースがあるため100%はできていません。
 三つ目は請求書、役所への申請書ですが、相手が老舗の大企業、役所の場合、ほぼ紙の請求書、申請書に捺印をする必要があります。一部のベンチャー企業、外資企業などの場合には、オンラインでサインすれば良い場合もあるのですが、それに比べて老舗大企業、役所は何とも日本的です。

 結果、週に1日必ず管理部門の社員が持ち回りで出社し、そして私も捺印のためだけに、週に1回は出社しています。とはいえ私は自宅から車で移動して滞在は30分程度なので手間ではないのですが、職場作業ゼロを目指している私たちにとっても悔しい限りです。

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あきらめずに出社業務ゼロを目指す!

 新型ウィルスの対応はいつまで続くかはわかりませんが、長期化していくと考え、あきらめずに社内作業ゼロを目指していきたいと思います。そこまで拘る理由は、社員の健康リスク低減はもちろんですが、職場作業ゼロを実現したときには、きっと新しい働き方、場所にと囚われない自由な働き方、個人の責任感の高い働き方、生産性の高い働き方が待っていると思うからです。もしかして、今後はオフィス無しでも良いのかもしれません。オフィスはリゾート地に構えてもいいのかもしれません。自由に個々人が責任を持って働き、時折、皆でリゾート地に集合なんて素敵な働き方ができたらいいなと思います。

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 今回は、職場での作業をゼロにする取り組みにつきお話させていただきましたが、これも「完全リモート経営術」の一つの取組みです。後編を終えお気づきになられた方も多いかと思いますが、リモートワークを成しえるには、経営者の強い意思が重要なのです。多くの企業がリモートワークはシステム対応と考えてしまいがちの様ですが、それ以前の経営者の強い意志があるからこそ、社員たちは知恵を使い、自らを変えようとしていくものなのです。次回も引き続き私たちの取組みをご紹介してまいりたいと思います。よろしくお願いします。

★前回記事
「前編 オンライン会議奮闘記

★過去連載
デジタルシフト成功への道」(全6回連載)

鈴木 康弘(Yasuhiro Suzuki)
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員も兼任。
著書: 「アマゾンエフェクト! ―「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか」 (プレジデント社) 

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50歳半ばの経営者(筆者)が完全リモートワークを目指して日々奮闘しています。その経験を「リモートワーク経営術」としてご紹介してまいりたいと思います。

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