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第1回  迫りくるデジタルシフトの波

はじめに

 2020年に入り、企業のトップの発言に変化を感じます。その変化とは「デジタルシフト」「DX」などのワードが増えたことです。デジタルシフトはもはや単なる流行ではなく、確実に日本企業に迫りつつある波(変革)となってきています。我々に今迫り来ているデジタルシフトの波とは、何なのか、そして私たちはこの変化に如何に対処していくべきなのでしょうか
これから「デジタルシフト成功の道」としてお話をすすめてまります。

デジタルシフトの波に立ち向かう

 私は、迫りくるデジタルシフトの波(変革)に立ち向かうため、2017年に株式会社デジタルシフトウェーブを起業しました。
 ここで少し自己紹介。私は、大学卒業後、富士通に入社。システムエンジニアとして10年従事後、1996年にソフトバンクに転職し、営業・新規事業企画、そしてネット書店イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を起業し、売上200億円、累損を解消した時点で、「リアルとネットの融合」を目指し会社ごと資本移動でセブン&アイHLDGS.に移り、グループネット事業を推進し、2006年にCIOとしてオムニチャネル戦略を推進してきました。そして、現在の会社を起業しました。意図したわけでは無いのですが、約10年単位で大きく仕事が変わり、様々なことを経験しました。
 そして、今、自らの常にデジタルシフトの現場に立ちつづけた経験を活かし、日本企業のデジタルシフトのご支援をさせていただいております。

私たちは情報革命の最中にいる

 デジタルシフトの波とはなんでしょうか。それを理解するには、大局的に歴史を振り返り人類の進歩を見てみると理解がしやすくなります。
 人類は、今まで2つの革命を経験してきました。1つ目の革命は紀元前8世紀頃に起こった「農業革命」であり、この革命により人類は安定的に「食」を得ることを可能にしました。そして2つ目の革命は18世紀に起こった「産業革命」であり、この革命により人類は「動」を得て、大量生産を可能にしました。そして、現在、人類は3つ目の革命の「情報革命」の最中にいます。「情報革命」により人類は、世界中の企業・個人が繋がり「知」を得ることができるようになります。農業革命のときにこの流れに乗れなかった部族は衰退し、産業革命のときに流れに乗れなかった国家・企業は衰退したように、情報革命の流れに乗れなかった国家・企業・個人は衰退していくでしょう。そしてその情報革命の流れに乗るべく、世界中の企業はデジタルシフトを目指しています。その流れが日本企業にも、現在、波のように押し寄せている変革を、私たちは「デジタルシフトの波」と表現しています。

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本格化するデジタルシフトの波

 デジタルシフトをもう少しかみ砕きその正体を追っていくと、デジタルシフトとは、「社会の大きな変化×ITの劇的変化」と考えることができます。近年、社会はグローバル化、少子高齢化、環境問題など多くの課題を抱えています。その一方で、インターネットの登場以降、クラウド、AI、IOTなどITは劇的な進化を遂げています。そして私たち人類は、社会の大きな変化により増え続ける多くの課題を、劇的な進化を遂げるITの力で解決していこうとしています。これがデジタルシフトの正体です
 また、このデジタルシフトは、様々な業界に影響を及ぼしはじめています。米国では「アマゾンエフェクト」という言葉が生まれ、アマゾンの動き次第で米国小売業が影響を受けるようになりました。この流れは海の向こうの話ではなく、世界共通の流れであり、日本にも影響がでてきています。日本でも小売業は少なからずアマゾンの影響を受け始め、他業界でも金融業界ではフィンテックエフェクトにより、名だたるメガバンク、大手証券会社も変革を余儀なくされています。最近では、自動車業界においてもコネクテッドカーエフェクトにより、テスラーのような新しい会社が生まれ、大手の自動車企業が積極的に合併、連合を組むことで、デジタルシフトを目指しています。他にも様々な業界で既存マーケット・企業に影響を及ぼしていき、今後は益々加速していくでしょう

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米国小売業のデジタルシフトの現状

 今、米国小売業は今生き残りを掛けて自社の変革を迫られています。変革できずにトイザらスやメーシーズのように破産に追い込まれてしまったり、逆にウォルマートの様に社内を大変革し、アマゾンと真っ向対決で新たな成長を始める企業となったりと大きく米国小売業界は大きく変わってきています。トイザらスやシアーズも決してデジタルシフトに取り組んでいなかったわけではありません。しかし、結果として、本格的な対応はできていなかったのではないかと思います。逆に成功している事例としてウォルマートを見てみると現在ではアマゾンをもしのぐ勢いでEコマースの成長を続けています。ウォルマートの変化は2016年8月にネット通販ジェットコムを約3300億円の巨額投資で買収したことに始まりました。その後も幾つものIT企業を買収するとともに、そこで得た人材を企業の中核に据えました。ダグ・マクミランCEOは買収したジェットコムの創業者のマーク・ローリー氏をEコマースのCEOに据えました。大企業とスタートアップ企業の壁を乗り越え改革を進めています。社内では大変な抵抗もあったと思いますが、ここまでの改革を進めたからこそ、今の成功につながっているのではないかと思います。
小手先でEコマースをスタートさせたり、外部のコンサル会社・システム会社に丸投げするようでは、デジタルシフトは成功しなかったでしょう。

デジタルシフト成功への道

 私は、長年デジタルシフトの現場に立ち続け、実際に成功・失敗を経験し、多くの成功、失敗事例を見続けている経験から、デジタルシフトの成功させるためには、近道は無く、一歩一歩企業の変革を進めていくしかないと思っています。その近道の無いアプローチを「デジタルシフト成功への道」と名付け、皆さんにご紹介してまいりたいと思います。
「デジタルシフト成功への道」は、
   1.経営者の意識改革&決意
   2.デジタル推進体制の構築
   3.業務改革プロセスの確立
   4.ITマネージメントプロセスの確立
   5.トライ&エラーで前進
という5つのアプローチを1から順番に進めていきます。
途中で、決してステップが抜けていることに気が付いたら、最初のステップに戻りやり直すのが、結果的に一番近道です。
デジタルシフトの成功に決して近道はないのです

図1-3

次回以降、デジタルシフト成功の道につき、その一つ一つを詳しくせつめいしてまいりたいと思います。

第2回につづく

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第2回  デジタルシフトを成功に導く経営者の決意とは?
第3回  失敗しないデジタル推進体制のつくり方とは?
第4回 デジタルシフトは業務改革から始める
第5回 デジタルシフトの成功を左右するITマネージメント 
最終回 デジタルシフトは企業・個人を新しい世界へ誘う

鈴木 康弘(Yasuhiro Suzuki)
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任。
著書: 「アマゾンエフェクト! ―「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか」 (プレジデント社) 

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