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第1回 マーケティング VS 物流(前編)

 初めまして、物流コンサルタント(株)リンクスの小橋です。前職は物流会社でセンター長なども経験し、現在、多くの企業様の物流現場の改善や物流戦略のお手伝いをしております。本連載(5回)にて物流の重要性について書かせていただきます。

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 さて、この先、デジタル化を進める上で物流も極めて重要なのですが、マーケティングなどと比べると、あまり注目されてこなかった。物流と言うと、「コスト」として捉えられ、とにかく安ければ良いと思われている方も多いのではと思います。
 2017年のamazonとヤマト運輸の抗争で話題になった「宅配クライシス」では、物流への関心は高まりましたが、「止まったら困る」「配送費があがったら困る」と言った、機能やコスト面を危惧されたのではと思います。
 今回のコラムでは、物流の価値を機能やコスト面だけでなく、売上に貢献する、さらには消費者である顧客に喜ばれる物流として、これまでのコストセンターからプロフィットセンターへの変革についてお話しさせていただきます。なので、前段が長くなりましたが、連載のテーマは、「物流の逆襲! ロジスィクスの未来」とさせていただきました。できれば物流担当の方だけでなく、会社経営者の方、その他部署の方にも読んでいただき、物流の新たな価値を感じて頂ければと思います。

COVID-19の勝ち組

 全世界を不況に陥れているCOVID-19ですが、皆様の会社ではどうですか?リモートワークにシフトしたところ、店舗の売上をECシフトによってカバーされているところなど、これまでのやり方が通用しない恐怖を感じているのではと思います。そんな中でも、好調に業績を伸ばしているところもあります。 デジタルコンテンツなどのバーチャルでサービスが提供できるものや、外出が制限され、巣篭もりでの需要のあった商品など、商品やサービスによって明暗が分かれています。
 なかでも、食品関係は外食が制限されるなかで、食品スーパーでは、デリバリーの物流が追いつかないほど伸びています。日本以上にCOVID-19の感染が広がっているアメリカにおいて、アマゾンを凌ぐ勢いで伸ばしているのがウォールマートです。 そこでは、単純に食品系のグロサリーが伸びているだけではなく、物流における差別化が成功している要因です。その点では同様に、マクドナルド、ケンタッキーなども店舗での飲食が減るなかで、売上は好調です。
 その成功している要因が、お客様と商品の接点(受け取り方法)になります。BOPIS(buy online pick up store)という言葉を聞いたことがありますか? クリックアンドコレクトとも言われ、インターネットで購入したものを、店舗でピックアップする仕組みです。 人との接触を極力減らして、車の中にいたまま商品を受け取るサービスです。 
 なんだそんなことかと思われた方も多いと思います。 新しい斬新なアイデアではなく、昔からあるドライブスルーです。でも、ウォルーマートは2018年頃からamazonの対策として準備を進めてきました。それが、このCOVID-19によって売上に貢献したのです。
 もう少し詳しくお話をすると、amazon VS ウォールマートの抗争についてはご存知の方も多いと思いますが。リアル小売とバーチャルECの巨人が流通業の覇権争いを繰り広げています。 ウォールマートの強みはリアル店舗です。その強みを生かせるため、お客様の購買体験をよくするために考えたのがBOPISを実現するカーブサイドと言われるピックアップステーションの整備だったのです。
 COVID-19の影響を最小限におさえている、さらには売上を伸ばしている会社に共通するのは、この状況以前からデジタル化含め、準備をしてきたところです。マクドナルドも事前のモバイルオーダーでのアプリの利便性をUPしています。 そう言った顧客視点での改善が結果につながっています。
 COVID-19の影響を最小限におさえている、さらには売上を伸ばしている会社に共通するのは、この状況以前からデジタル化含め、準備をしてきたところです。マクドナルドも事前のモバイルオーダーでのアプリの利便性をUPしています。 そう言った顧客視点での改善が結果につながっています。
 COVID-19によって、人の移動は制限されるため、これまでの人が動くのではなく、商品を動かす方法を考える必要があります。ネット販売がその代表ですが、その時に顧客体験を意識した物流をデザインできるかが重要となります。まさに、「必要なモノを、必要な時に、必要な量だけ、必要とする場所に届ける」トヨタ生産方式であるジャストインタイムの考え方にも通じるところがあります。 逆を言うと、本来は日本の得意とする考え方ではと思います。

マーケティングVS 物流(ロジスティクス)

 本来は、物流とロジスティクスを分けてお伝えした方が良いのですが、横文字にしてしまうと、トラックドライバーや倉庫現場で働く人と分けて、ホワイトカラーだけのイメージで捉えられてしまうのではとの思いから、ここでは物流とロジスティクスを同じ扱いにしました。物流インフラを支えているもっとも重要な要素が現場で働く人たちです。この方々の働きなしでは、経済活動は成り立たないです。でも、その方々の労働条件などは劣悪で、今回のCOVID-19でも露呈いたしました。
 さて、これまでビジネスを語る上でマーケティングの重要性は誰もが感じているかと思いますが、物流はどうでしょうか?前段でもお伝えした通り、物流=コストとして、安ければいいとして、間違いなく届けるのや、納期を守るのはあたりまえと考えていませんか? 
 マーケティングが需要を創造する役割だとすると物流(ロジスティクス)は需要を遂行する役割です。高度成長期にモノさえ作れば売れた時代、その後も良いモノを作れば売れるとされた時代において物流は効率が極めて重要だったと思います。モノあまりの時代、さらには新しく商品が出てもすぐに真似されて、モノそのものがコモディティ化される時代において、「どう届けるか」 と言った物流が消費者にとって新たな価値や差別化する領域になっています。
 Amazonで販売しているモノは、何か特別なモノではなく、他でも手に入るものですが、Amazonの価値のひとつが、圧倒的な品揃えと物流における利便性だと思います。 モノそのものの価値ではなく、在庫やデリバリーにおける物流が強みの企業です。その証拠に彼らは、毎年 物流に巨額の投資をしています。
 皆様の会社はどうでしょうか? 物流は大切とは言いながら、物流への投資をされているところは少ないのではと思います。むしろ1円でも物流費は安くなるよう改善されているのではと思います。改善そのものは、もちろん大切ですが、物流が売上や利益に貢献する、もしくは顧客体験価値には重要だと考えている企業は、まだまだ少ないです。 先ほどお伝えした、ウォールマートの事例も、モノの価値ではなく、モノをどう届けるかでお客様から支持された結果、売上を伸ばしています。

 これまで読んでいただき、ありがとうございます。次回この続きで、 物流がコストセンターからプロフィットセンターになるためにどう考えるべきかについてお伝えできればと思います。 

◆こちらの著書の記事
第2回 マーケティング VS 物流(後編)
第3回 物流×デジタル(前編)
第4回 物流×デジタル(後編)
第5回 物流の逆襲・ロジスティクスの未来

株式会社リンクス 代表取締役
小橋 重信

アパレル会社での在職中に上場から倒産までを経験。そこでは、在庫が滞留することの怖さを経験。その後の物流会社で多くの荷主の物流をサポートし、「物流から荷主企業を元気にする」ことを目標に在庫管理の大切さを伝える活動を行う。3年間のIT企業での経験から、ITの知見もあり、「ファッション×IT×物流」トータルでのコンサルティング活動を行う。

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物流コンサルタントの株式会社リンクス 代表取締役 小橋重信氏が、機能やコスト面だけでなく、売上に貢献する、さらには消費者である顧客に喜ばれる物流として、これまでのコストセンターからプロフィットセンターへの変革についてお話しくださいます。物流担当の方だけでなく、会社経営者の方、その他部署の方にも、物流の新たな価値を感じていただけます。

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