見出し画像

第3回 プロジェクト計画の立案

プロジェクトの方針検討書が承認されれば、いよいよプロジェクトを立ち上げます。プロジェクトを始めるにはプロジェクト計画書が必要です。今回はプロジェクト立ち上げ時に必要なプロジェクト計画書の作成からキックオフの実施、プロジェクトルールの作成方法について説明します。

プロジェクト計画書の作成

プロジェクトが立ち上がると、プロジェクトマネージャーはまずプロジェクト計画書を作成します。プロジェクト計画書とは、プロジェクトの目的・目標を達成するために何をすべきかを記載したドキュメントで、プロジェクトをゴールに向けて推進するために必ず必要なものになります。プロジェクト計画書では、まずプロジェクトが立ち上がった背景とプロジェクトの概要、目的・目標を明記します。これらのページに何ページ割くかは、プロジェクトが立ち上がるタイミングや規模によっても違いますが、この段階では簡潔にまとめ、絵や図を使って分かりやすい内容にしたほうがいいでしょう。ほかに、プロジェクト計画書にはプロジェクトの全体体制や全体スケジュール、会議体などを明記します。その内容に沿ってプロジェクトを進めていくことになります。プロジェクト計画書はプロジェクト全体の指針でもあり、プロジェクトメンバーに周知する必要があります。プロジェクトは進めるうえでいろいろな問題に直面します。その際に原点に立ち返り、判断のよりどころとなるものになりますので、メンバーが同じ方向を見てプロジェクトを進めるためにも、プロジェクト計画書は様々な成果物の中でも重要なドキュメントと言えます。また、プロジェクトは進めていくにあたり、内容が変化していくこともあります。その場合はプロジェクト計画書も修正し、プロジェクト全体の方向性とずれないようにメンテナンスしていくことも大切です。

画像1

プロジェクトキックオフの実施

プロジェクト計画書を作成したら、プロジェクトの関係者が集まり、キックオフを実施します。キックオフを実施せずに何となく始まるプロジェクトもありますが、そういったプロジェクトでは各人がバラバラな考えと行動をとってしまい、プロジェクトが進むにつれてまとまりがなくなってしまいますので、キックオフは必ず実施したほうがよいでしょう。キックオフの場で,プロジェクトの概要や重要事項の説明,メンバーの自己紹介,チーム内での役割や作業分担を明確に指示します。重要なのは,プロジェクトを成功へ導くために,メンバーに目的や目標を共有し、プロジェクトメンバーの一体感を高めることです。キックオフは,プロジェクト概要を説明するだけではなく、メンバーにやる気を起こさせ、同じ方向へ気持ちを向けさせるチーム作りの場でもあります。

プロジェクトルールの策定

プロジェクトの発足と同時にプロジェクトとしてある程度決められたルールを作成します。代表的なものを以下で説明します。
1. 進捗管理
計画した作業の進捗状況を定期的に確認し、問題点を把握して対策を早期に打つことで、決められた納期を守るためのルールを作成します。具体的にはWBSを作成する際の階層の定義や、進捗報告のフォーマット定義、遅延の基準などを決めます。
2. コミュニケーション管理
プロジェクトに携わる関係者間のコミュニケーションを円滑に行い、プロジェクトに関わる情報の共有を適時かつ確実に行うためのルールを作成します。会議体の定義や、議事録の作成ルール、通常メンバー間のコミュニケーションを何のツールを使用して行うかなどを決めます。
3. 課題管理
プロジェクトで発生した課題の内容や対応策などをプロジェクトで一元管理し、関係者が共通認識のもとにアクションを打つためのルールを作成します。課題管理表のフォーマットを定義し、何のツールを使って課題管理を行うのか、対応策はどの場で検討し、解決しなかった場合にどういった手順でエスカレーションされるのか等を定義します。
4. 仕様管理
プロジェクトを進めていると、一度決定した仕様を変更しなければいけないことがどうしても発生します。たとえ仕様変更があっても機能、性能、信頼性を実現するために、仕様凍結のタイミングや、仕様変更があった場合の手順やルールを作成します。
5. 品質管理
開発するアプリケーションの品質を確保するために、どのタイミングで誰がレビューを実施するか、工程ごとに定量データによるチェックを行っているか、評価基準を設定し、品質判定をどのように行っているか等を定義します。

プロジェクトを進めるうえでプロジェクト計画やプロジェクトルールを作成することは、自社でプロジェクトマネージャーをたて、プロジェクトを進めるにための最初の一歩とも言えます。プロジェクトマネージャーはこれらの決まりを周知・徹底することでプロジェクトを円滑に進めやすくなります。次回はRFPの作成など、案件の具体的な進め方を説明します。
(つづく)

★関連記事
第1回 システム内製化の必要性
第2回 PMプロセスの構築

岡村 克久(Katsuhisa Okamura
1993年(株)オービックにてSEとしてシステム開発に従事。2000年(株)イーショッピング・ブックスに入社しECサイト開発に携わる。2008年(株)セブンアンドアンドワイ システム開発部部長就任。2015年(株)セブンアンドアイネットメディア執行役員就任。オムニチャネル戦略の開発PMを務める。2017年同社を退社。2017年デジタルシフトウェーブ入社。同社取締役に就任。

▼お問合せやセミナーのご依頼はこちらまでお気軽にご連絡ください。

▼デジタルシフト実践者から学ぶ「デジタルシフト塾」塾生募集中です。

デジタルシフト塾バナー画像


スキありがとうございます!
10
デジタルシフトマガジンは、デジタルシフトに取り組む方向けに、デジタルシフト実践者による本当に役立つ情報をお届けいたします。(株)デジタルシフトウェーブが運営しています。詳しくはこちら https://www.digitalshiftwave.co.jp/

こちらでもピックアップされています

ITシステムの内製化
ITシステムの内製化
  • 4本

デジタルシフトウェーブの岡村克久が、DXを進めるにあたり、今までシステムを丸投げしていた企業が、どのようにITシステムを内製化していけばよいのか、その方法について解説します。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。