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第2回 PMプロセスの構築

システムを内製化する際に、まず最初にプロジェクトマネージメントプロセスを構築する必要があります。どのような手順でプロセスを構築すればいいかを順を追って説明します。

プロジェクトマネージメント手法の確立

プロジェクトには様々な役割の人が参加します。それぞれの役割の人が何を行い、どういう成果物を作成するのかを明確化します。プロジェクトは大きく分けて、プロジェクトに責任を持ち、プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャー、要件を伝えたり成果物のレビューを行う現場部門の担当者、要件定義や基本設計といった上流工程を担当するシステムエンジニア、詳細設計やプログラミングといった下流工程を担当するプログラマー、アプリケーションの要件に応じて性能や拡張性といった非機能要件を定義・構築するインフラエンジニアに分かれます。実際にシステムやインフラを開発・構築するところは外部のベンダーに発注する会社も多いと思いますが、ベンダーによって開発工程の考え方や成果物は微妙に違います。ベンダーに開発を依頼する場合、同じ案件でもベンダーによって見積り費用が桁1つ違ってくることもよくあることです。それは成果物の内容だったり、成果物の粒度が違うために起こることなのです。それによって品質も違ってきますから、ベンダーを選定する際の参考にするためにも、自社で確立した工程と成果物の定義を持っていたほうがいいでしょう。品質も良くて開発コストも安価なベンダーが見つかればそれに越したことはありませんが、なかなかそのようなベンダーはいません。会社の規模やプロジェクトの規模によっても進め方は違いますが、自社に合った基準を自分たちで定義し、ベンダー側はその基準に合わせてもらうぐらいにしたほうが、自社で主導権を取ってプロジェクトが進められるようになります。

各工程での成果物の定義を明確化する

プロジェクトの各工程で、どのような成果物を作成する必要があるかを社内で明確にします。システムの開発工程である、要件定義~設計~開発~テストについては、システム開発ベンダーで参考になる成果物がありますので、それを参考にして成果物を明確化します。システムの開発には、アプリケーション開発以外に、サーバやネットワークの構築といったインフラの構築、リリース後の運用を担う運用保守など、役割が多岐に渡りますので、それぞれの役割で成果物を明確にします。
プロジェクトマネージャーがプロジェクトを管理していく中で必要な成果物もあります。プロジェクト計画書やプロジェクト管理ルール、進捗報告資料などがあたりますが、開発のガイドラインなど工程によって必要になるルールもありますので、必要に応じて成果物を作成します。プロジェクトマネージャーはたいていのプロジェクト場合一人しかいませんので、プロジェクトの規模が大きくなってくると、手数が足りなくなってくることもあります。そういった場合はPMO(プロジェクトマネージャーをサポートする体制)にもメンバーを選定して対応します。
経営者からのトップダウンでプロジェクトを実施する会社もあると思いますが、たとえトップダウンだとしても、会社として公平性を保ち、周りの部門から協力を得るためにも、なぜそのプロジェクトが必要なのかを明確化したプロジェクト方針検討書や概要検討書は作成したほうがいいでしょう。

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プロジェクト方針検討書を作成する

実際にシステムを開発する際には、その開発はなぜ必要なのか、どれぐらいの利益を会社にもたらすのか、かけていいコストはいくらまでなのかを文書化した、プロジェクト方針検討書を作成します。プロジェクト方針検討書は1枚ものでも結構ですので、会社でひな形を作成し、どの部門の人でも上申できるようにします。現場部門の人はシステムにかかるコストが分からないため、プロジェクトマネージャやシステム担当者が協力して、システムコストを算出します。この時点では超概算で結構ですので、自社で算出できない場合は、外部のベンダーに超概算の見積りを依頼して、システムコストを算出する方法もあります。こうして提出された方針検討書を経営会議やプロジェクト審査会の場で実施可否の判断をします。承認されるか否かは、費用対効果だけではなく、経営者の意向や提案者の意志など、会社によって様々だと思いますので、承認基準を明確化することは難しいと思います。しかし、会社として正式な会議を経て承認されたという事実が重要なので、承認された案件については、プロジェクトを立ち上げて、次の工程である概要検討書やRFPの作成に入っていきます。

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実際に自社でプロジェクトを進める場合の前準備で何をしなければいけないかについて説明してきました。次回は具体的にプロジェクト計画書の作成方法や概要検討書の作成方法について説明します。

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岡村 克久(Katsuhisa Okamura)
1993年(株)オービックにてSEとしてシステム開発に従事。2000年(株)イーショッピング・ブックスに入社しECサイト開発に携わる。2008年(株)セブンアンドアンドワイ システム開発部部長就任。2015年(株)セブンアンドアイネットメディア執行役員就任。オムニチャネル戦略の開発PMを務める。2017年同社を退社。2017年デジタルシフトウェーブ入社。同社取締役に就任。

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